(公財)日本民謡協会 富山県連合委員会は富山の民謡好きな人を応援します。
(公財)日本民謡協会は昭和25年に創立された民謡協会で、富山県連合委員会は協会の富山支部として発足しました。
富山県は、おわらやこきりこなど日本有数の民謡県であり、県内各地に「民謡の会」があります。それぞれ民謡教室を開催しており、初めて民謡をされる方にも容易にご参加いただけます。
民謡は定年後に始められる方も多く、その大半が未経験の方です。民謡を奏でながら郷土を知ることには、格別な魅力があります。民謡に興味があり、初めて見たいと思われる方は、ぜひこの機会にお声掛けいただければ幸いです。
活動レポート
第36回全国ろうあ高齢者大会懇親会
2024/09/27
お声がけいただき、全国ろうあ高齢者大会の懇親会にて、越中おわら の踊りを披露してきました。
今回は踊りに富山華の会、連絡調整と太鼓で義正会からわたくし、平野が出演させていただきました。
事前打ち合わせでは「聴覚障害者の懇親会なので、地方(じかた、三味線や胡弓など)は無くて良いです。前で踊ってくだされば、参加者はそれを見て踊りの体験をします。」とのことでした。
しかし踊りとは音楽に合わせて体を動かすもの。なんとかしてこの感覚も体験してもらいたい、と思い私が太鼓で参加させていただくことにしました。
当日、スクリーンに富山市八尾町の『おわら風の盆』の様子が上映されたのち、会場の後方から5人の踊り手が踊りながら入場。テーブルの間を前方の小さなステージに向かって進んでいくと、もうその後ろを踊ってついてこられる参加者の方が2人も。あ、踊りの大好きな方がいらっしゃるんだ、とうれしくなりました。会場には北は北海道、南は沖縄から150人ほどの参加者がおられました。
最初は平野がステージに上がり、富山県の越中おわら節についての解説をしました。私の横には手話通訳の方がおられ、説明にあわせて同時通訳をされていました。越中おわら節の歴史や歌詞、踊りの種類などについてお話させていただきました。
解説のあとは華の会の皆さんによる越中おわら踊りを披露しました。おわら四季にかかし踊り、四季踊りを見ていただきました。ここで少し驚いたのが「あれ、拍手がほぼない・・・」こんな経験は初めてでした。しかし考えると、拍手とは手をたたいて音を出し感動を表現するもの。その音が聞こえないとき、その人の感動表現としてはしっくりこないのかもしれないなぁ、と思いました。あとから調べると、やはり拍手はあまりされないようで、かわりに両手をあげてひらひらされるそうです。手を振ってくれているのだと思っていましたが、あれが拍手だったんですね。
その後は踊り方の解説をして、いざ皆で踊ってみましょう!! 大変多くの方が席を立って踊ってくださり、最後には大きな輪踊りができて大変盛り上がりました。懇親会でのおわら輪踊りはよくありますが、その輪に入ってくださる方々が、いつもより大変多く感じました。私も踊りたいのを我慢して、ずっと太鼓をたたきました。基本は おわら の太鼓ですが、おわら の太鼓には音のない間(ま)が多く、そのままでは踊りにくいと考え、拍子をとる音を足しつつ、おわら独特のトトントン、トンなどのリズムを入れ、少しでも音楽としての おわら を表現しました。たたく強さも普段ではありえない大きな音でたたきました。会場の空気を振動させて、皆さんにはそのリズムで踊ってほしいと、太鼓の皮が心配なほどに強くたたきました。(事前に会場となったホテルには了解を得ています)
輪踊りも大盛り上がりで終わり会場を出ました。退席のときに参加者の方がジェスチャーで「太鼓の音の振動、ちゃんと伝わってましたよ」と伝えてくださりました。自分の太鼓が本当に意味のあることだったのか不安だったのですが、伝わっていたことが分かり本当にうれしかったです。
私は三味線弾きですが、いろいろな形での音楽の楽しみ方、伝え方があるなと再認識しました。貴重な経験ができたことに感謝いたします。携わっていただいた皆様、本当にありがとうございました。
義正会 佐藤 松博太(平野 健太)